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2025年に注目されそうな10のITトレンドとは ビジネス・ITトレンド

更新日:2025/05/19 SAブログ編集部

2025年に注目されそうな10のITトレンドとは

2025年を迎え、引き続きAI技術を筆頭にテクノロジの進化がますます加速しています。AI技術に加えて、量子コンピューティングやロボットなどの分野でも続々と革新的な技術開発が進んでいます。
こうしたなかで、2025年にはどのようなテクノロジが注目されるのでしょうか。

本記事では、2025年に大きな発展や注目が見込まれそうな最新のITトレンドをご紹介するため、ガートナーの発表をもとに、2025年のテクノロジ動向について解説します。

イノベーションをけん引するITリーダーにとって、本記事の情報が少しでも参考となれば幸いです。

2025年のITトレンドにおける3つのカテゴリ

ガートナーの日本法人であるガートナージャパンは、2024年10月に2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表し、2025年に企業や組織にとって重要なインパクトを持つ10のトレンドを示しました。

同社では、それら10の技術トレンドについて、以下の図のように「AIの最重要課題とリスク」「コンピューティングのニューフロンティア」「人間とマシンの相乗効果」という3つのカテゴリに分類しています。

Gartner, 2025年12月19日, “2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド” より

 

これらの3つのカテゴリについて、それぞれどのような技術トレンドと関連するのかについてまずはみていきましょう。

AIの最重要課題とリスク

「AIの最重要課題とリスク」に含まれるトレンドは、最新のAI技術が従来のビジネスプロセスや意思決定の方法を根本的に変えつつあることから、急務となっている「AIの適切な利用と管理に向けた新しい枠組みづくり」のためのトレンドが関連します。

  • エージェント型AI
  • AIガバナンス・プラットフォーム
  • 偽情報セキュリティ

コンピューティングのニューフロンティア

「コンピューティングのニューフロンティア」に含まれるトレンドは、量子コンピューティングや超小型センサーといった新しいテクノロジによってもたらされるビジネスの新たな可能性や、情報セキュリティなどの新たな課題に対応するための以下のトレンドが関連します。

  • ポスト量子暗号(PQC)
  • 環境に溶け込むインテリジェンス
  • エネルギー効率の高いコンピューティング
  • ハイブリッドなコンピューティング・パラダイム

人間とマシンの相乗効果

「人間とマシンの相乗効果」に含まれるトレンドは、ロボット工学や人間拡張技術などの進歩によって現実世界とデジタル世界の境界がますますあいまいになる中で、より密接になっていく人とテクノロジの関係に関わる以下のトレンドが関連します。

  • 空間コンピューティング
  • 多機能型スマート・ロボット
  • 神経系との融合

引用:Gartner, 2024年12月19日, “2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド”

 

以上のように、いずれの技術トレンドもAIや量子コンピューティング、ロボット工学、人間拡張技術といった最先端の注目技術と、それらがもたらす新たな価値や課題、リスクに関連しています。

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2025年に重要となる10のトレンド

続いては、ガートナーによる2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドについて、ガートナーのリリースと記事を参考としながら一つずつみていきましょう。

なお、以降「」で囲まれた箇所は明記されているガートナーのプレスリリースおよび記事からの引用であり、それ以外の箇所は、弊社による見解や補足的な説明となります。

エージェント型AI:主体性を持って行動する次世代の人工知能

エージェント型AIは、ユーザーが設定した目標を達成するために、一定の主体性をもって自ら計画を立てて行動する能力を持つ新たなAIシステムです。
エージェント型AIの大きな特徴は、人間からの直接的な指示なしに多様なタスクに柔軟に対応することが可能な点が挙げられます。

高い自律的の裏返しとして信頼性の担保や適切な行動の制御が課題となりますが、人間とエージェント型AIの効果的な協働によって飛躍的な業務の効率化や生産性の向上が期待されています。

ガートナーによると、「2028年までに、日常業務における意思決定のうちの少なくとも15%が、エージェント型AIによって自律的に行われるようになる(*1)」と見られています。

出典:
*1 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”

AIガバナンス・プラットフォーム:信頼できるAI活用に向けた基盤

AIガバナンス・プラットフォームは、AIの普及に伴って重要性を増す『AIの適切な管理と運用』を支える基盤です。
主な特徴には、AI利用の包括的な管理やモデルのライフサイクル管理、データ品質とプライバシー保護のリスク評価、法令遵守の効率化などが含まれます。

多様なステークホルダーの統制や組織文化の変革といった課題が挙げられますが、段階的な導入と継続的な改善を通じて持続可能なAI活用基盤を構築することが期待されています。

ガートナーによると、「2028年までに、包括的なAIガバナンス・プラットフォームを実装している組織は、そうしたシステムを実装していない組織と比べて、AI関連の倫理的インシデントが40%減少する(*2)」と見られています。

出典:
*2 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”

偽情報セキュリティ:偽情報対策の新たな展開

偽情報セキュリティは、AIの進化によって増大する偽情報の脅威に対抗するための新たなセキュリティ対策です。
AIの急速な発展によって攻撃手法が高度化しており、フィッシングや偽ニュースの件数も増加の一途をたどっているため、早急な対策が求められています。

偽情報セキュリティの特徴には、ディープフェイクなどの合成メディアの不正使用の検知や、SNSや報道における有害情報の監視、なりすましを防止するためのアイデンティティ管理の強化などが挙げられます。

ガートナーによると、「2028年までに、企業の50%が偽情報セキュリティ対応のユースケースに特化したプロダクト、サービス、または機能の採用を開始する(*3)」と見られています。

出典:
*3 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”

ポスト量子暗号 (PQC):量子コンピューティング時代に向けた暗号技術の進化と対策

ポスト量子暗号(PQC)は、量子コンピュータの台頭によって従来の暗号技術が脅かされつつある中、データ保護を強化するために注目されている新しい暗号方式に関するテクノロジです。
量子コンピューティングの活用による従来の暗号化データへの攻撃リスクの高まりに対して、次世代の暗号技術が不可欠となっています。

ポスト量子暗号(PQC)の実用化には多くの技術的な課題がありますが、「クリプト・アジリティ (暗号の俊敏性)」と呼ばれる新たな仕組みなどを通じて、今後の暗号技術の進化にも対応できる基盤の構築が期待されています。

ガートナーによると、「2029年までに、量子コンピューティングの進歩により、従来の非対称暗号化のほとんどが安全でなくなる(*4)」と見られています。

出典:
*4 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”

環境に溶け込むインテリジェンス:日常生活に深く統合されたインテリジェンスが創る未来

環境に溶け込むインテリジェンスは、日常生活においてスマートタグやセンサーをより深く組み込み、大規模な追跡・センシングを可能とする新たな技術です。
非常に小型かつ低コストのタグやセンサーが、家庭やオフィスを含むさまざまな環境に統合され、無線通信や環境発電、在庫管理や物流といった幅広い分野で生活の利便性を高める可能性を持っています。

一方で、その小型さゆえにユーザーからはセンサーが見えないことから、その普及にはプライバシー保護が重要な課題となります。そのため、企業にはユーザーからの同意を得るための適切な手続きを整え、センサーの無効化オプションを提供することなどが求められます。

ガートナーによると、「2027年末までの環境に溶け込むインテリジェンスの初期導入例は、小売店の在庫チェックや生鮮品の物流など、目先の問題解決に焦点を当て、低コストでリアルタイムの商品の追跡/センシングを可能にすることで可視化と効率を向上させる(*5)」と見られています。

出典:
*5 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”

エネルギー効率の高いコンピューティング:ITの持続可能性に向けた取り組みと今後の展望

エネルギー効率の高いコンピューティングは、ITシステムの環境負荷の削減を目指した取り組みで、水資源や電子廃棄物などに加えて特に炭素排出量の削減が重要視されています。
具体的な取り組みとしては、AIトレーニングやシミュレーションといった計算負荷の高いアプリケーションが環境に与える影響を軽減するため、効率的なアルゴリズムやハードウェアの採用、再生可能エネルギーの活用が有効と考えられています。

実用化に向けては、新たなハードウェアやクラウドサービスなどの導入が必要となり、これに伴うシステムの複雑化やコストの増加が課題として挙げられます。
しかしながら、ITが生活に欠かせないものとして深く根付いている現代においてITの持続可能性への取り組みは必要不可欠であり、さまざまな課題を乗り越えて環境負荷の削減を進める必要があります。

ガートナーによると、「2020年代後半から、AIや最適化といった特別な目的を持つタスク向けに、光学、ニューロモルフィック、新型アクセラレータなど、消費エネルギーが大幅に少ない新たなコンピューティング・テクノロジが登場する(*6)」と見られています。

出典:
*6 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”

ハイブリッドなコンピューティング・パラダイム:融合が拓く計算技術による未来の可能性

ハイブリッドなコンピューティング・パラダイムは、他の『2025年に重要となる10の技術トレンド』のなかでも触れられている量子コンピューティングに加え、神経形態学的計算、光計算といった新しい計算技術を融合させることで、次世代の計算基盤を構築するアプローチです。

ハイブリッド・コンピューティングによって各技術の長所を活かし、同時に短所を補い合うことで、従来の限界を超える計算能力が可能となるとされています。
特に、複雑な計算が発生する製造・物流や金融サービス、ライフサイエンス、材料開発、創薬などの分野での活用が期待されています。

ハイブリッド・コンピューティングの実用化には、技術の複雑さや専門的スキルの必要性、システムの再設計、セキュリティリスクへの対応といった課題が存在するものの、ガートナーによれば「長期的には既存インフラストラクチャの最適化コストを大きく上回る便益をもたらす可能性(*7)」があると見られています。

出典:
*7 Gartner, 2024年12月19日, “2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド”

空間コンピューティング:現実世界とデジタル世界の融合

空間コンピューティングは、物理的な世界とデジタルの世界を融合することで、新しいユーザー体験を実現する新たな技術です。
拡張現実(AR)やバーチャル・リアリティ(VR)などを活用し、現実空間にデジタルコンテンツを統合することで、ゲームや製造業、教育、金融サービス、電子商取引など多様な分野での活用が期待されています。

具体的には、イベントチケットの購入や車両のレンタルなどがより直感的に行えるようになることや、製造現場でのデジタルツインの活用、視覚障害者向けインターフェースの提供なども見込まれています。
空間コンピューティングの普及には、ヘッドマウント・ディスプレイの高価格や使用における制約、ユーザーインターフェースの課題、プライバシーとセキュリティの問題などが存在するものの、今後5年から7年の間に広く活用が進むとみられています。

ガートナーによると、「2033年までに、空間コンピューティングは、1兆7,000億ドル規模まで成長する(*8)」(2023年の1,100億ドル規模から、10年で10倍以上に成長)と見られています。

出典:
*8 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”

多機能型スマート・ロボット:人と共生する未来のパートナー

多機能型スマート・ロボットは、特定の作業に特化したロボットではなく、多様な価値を創造する次世代のパートナーとして開発が進んでいます。
これらのロボットは、人間のような見た目を備え、人間の作業環境に柔軟に適応することが可能です。

そのため、ロボットの導入コストを抑えつつさまざまな分野での活用が期待されており、高齢者介護や家事支援など、従来ロボット化が難しかった領域でも用いられる可能性があります。

価格のばらつきや安全基準の確立、ロボットと人間の協働を可能にする新しい働き方の設計などが課題として挙げられますが、ガートナーによれば、「2030年までに、人間の80%がスマート・ロボットと日常的に関わるようになる(*9)」(2024年時点では10%未満)と見られています。

出典:
*9 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”

神経系との融合:人々の認知能力はどこまで進化するのか

神経系との融合は、脳機能強化技術(Neurological Enhancement)を通じて人間の認知能力を大幅に拡張しようとする革新的な取り組みです。
この技術は、脳活動の読み取りだけでなく、脳への情報の書き込みによって人間を「強化」し、人々の育成やマーケティング、パフォーマンスを従来から大きく変える可能性があります。

具体的には、脳の記憶力や問題解決能力などを強化したり、消費者の思考や感情を理解したり、産業事故の予防や学習者一人ひとりに合わせた教育の実現などが期待されています。

実用化には技術的・経済的な課題に加えて、高いリスクや抵抗感に対する社会的受容性、セキュリティやプライバシーの問題などが立ちはだかりますが、ガートナーによれば、「2030年までに、ナレッジ・ワーカーの30%は、AIが台頭する職場での存在意義を保つために、雇用主負担か自己負担かを問わず、BBMIなどのテクノロジによって強化され、それに依存するようになる(*10)」と見られています。

※BBMI:Bidirectional Brain-Machine Interface
人間の脳とコンピュータや機械との双方向通信を可能にする神経インターフェース。ユーザーの精神状態を測定し、また精神状態に影響を与えることもできる。(*11)

出典:
*10 Gartner, プレスリリース, 2024年10月28日, “Gartner、2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンドを発表”
*11 Gartner, 2024年12月19日, “2025年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド”

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