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EdTech(エドテック)とは|教育 ✖ テクノロジーの融合でイノベーションを創出する取り組み テクノロジー

更新日:2024/10/11 SAブログ編集部

EdTech(エドテック)とは|教育 ✖ テクノロジーの融合でイノベーションを創出する取り組み

はじめに

デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)が叫ばれ、あらゆる業界でデジタル技術を活用した取り組みが進む中、教育業界ではEdTech(エドテック)への関心が高まっています。実際、コロナ禍では感染防止の観点から学校の対面授業がオンラインに切り替わるなど、世界の教育現場が大きな変化に直面しました。その結果、テクノロジーを活用した教育改革の重要性にあらためて注目が集まっています。そこで今回はEdTechによって何が可能になるのかについて解説します。

EdTech(エドテック)とは

EdTechは文字通りEducation(教育)とTechnology(技術、テクノロジー)を掛け合わせた造語です。日本では「エドテック」、あるいは「エドテク」と発音されることが一般的です。一言で言えば、EdTechとはデジタル技術を活用することで教育が本来備えている潜在的な価値を引き出す取り組みと言えます。

Education_a
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教育産業は伝統的に他の業界と比べ、民間企業の参入余地は少なく、IT活用なども遅れている業界でしたが、近年はテクノロジーの力で教育にイノベーションをもたらす取り組みが民間企業を中心に広がっています。その意味で、EdTechというのは、教育業界で起きているデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)として捉えることができます。

EdTechの市場規模、2025年には世界で38兆円超に

JETROによると、世界のEdTech市場の規模は2018年の18兆円から2025年には38兆円超と2倍以上に拡大すると見込まれています。また、日本のEdTech市場規模については2020年時点で約2,400億円と言われています。

また、EdTech関連のベンチャーキャピタルの投資動向をみると、近年は米国に代わって中国やインドのアジア諸国での投資が増加しています。調査会社のHolan IQによると、2010年に世界のEdTech投資の7割以上を占めていた米国に代わって2015年以降は中国が投資額におけるシェアでトップの地位を維持しています。2020年の投資額シェアでは中国が世界全体の63%、2位の米国が15%、そして3位のインドが14%となっています。

<参照>
EdTechについて(JETRO)
「未来の教室」とEdTech研究会(経済産業省)
$16.1B of Global EdTech Venture Capital in 2020(Holan IQ)

Edtech_market
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Edtechの市場規模(SHIFT ASIA作成)
拡大画像(インフォグラフィック)はこちら

EdTechの機能と分類

それでは、次に具体的にEdTechにはどのようなサービスがあり、具体的にどんなことが実現できるのかを探っていきたいと思います。

EdTechの提供形態はさまさまですが、大きく分けると以下の3つの柱に分類することができます。

1. 学習プラットフォーム
2. 学習コンテンツ
3. その他支援サービス

以下順にご紹介します。

1. 学習プラットフォーム

EdTechが提供する価値のひとつに「テクノロジーの力によりインターネット環境があれば誰もがいつ、どこにいても教育が受けられるという世界を実現する」というものがあります。

これを体現しているのがインターネット上で提供されているさまざまなオンライン学習講座です。代表的なものとして、MOOC(Massive Open Online Course、大規模オンライン講座、ムーク)があります。MOOCは2012年にマサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学が「edX」 という名称でオープンソースの学習プラットフォームを公開したのをきっかけに、さまざまな教育機関や企業による取り組みが進んできました。

日本でも2014年にJMOOC(日本オープンオンライン教育推進協議会)が設立され、産学連携によりさまざまなテーマの講座にアクセスできる環境が整備されてきました。現在ではNTTドコモ傘下のドコモgaccoが運営するオンライン講座「gacco」がなどが広く知られています。

このほか、無料講座のほかにさまざまな有料講座を提供しているUdemyなども最近は人気を集めています。Udemyは現在、世界190カ国以上でサービスを提供し、受講者数は3,500万人以上に上るなど急成長しています。

このようにひとつのプラットフォームでさまざまな教育コンテンツを学習できるものを「学習プラットフォーム」に分類することができます。

LMS(Learning Management System)とは

このほか、インターネット上でコンテンツを配信したり、学習履歴を管理したりするためのプラットフォームとしてLMS(Learning Management System)と呼ばれる学習管理システムがありますが、これも「学習プラットフォーム」に位置付けられると言えるでしょう。LMSは、いわゆるeラーニングに必要となるシステム全般を指します。

LMSは受講者(ユーザー)が自分の学習状況(選択した教材や進捗、テストの成績など)を管理できるほか、講座を提供する側の管理者が講座情報の管理や履修状況の確認、さらには各受講生の評価などを行うことができるなど、受講者とサービス管理者の双方にとって欠かせない機能を備えており、eラーニングの基盤とも言えます。

EdTechとeラーニングの違いとは

なお、EdTechというキーワードに注目が集まる以前から存在していたのがeラーニングです。

eラーニングはパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末を利用し、インターネット上で学習する方法を指します。その意味ではMOOCなどの学習プラットフォームもeラーニングの一形態と言えますが、eラーニングが対面学習のオンライン化を意味することが多いのに対し、EdTechはテクノロジーの力を活用し、学習体験を変革することで新たな教育の価値を引き出すことを目指す取り組みです。

2. 学習コンテンツ

次に、特定の教科における能力や資質を高めるためにデジタル化された学習コンテンツを提供しているサービスもEdTechに分類できます。現在では、スマートフォンのアプリなどで個別の学習コンテンツサービスを提供することが一般的になりつつありますが、代表的なものとしては英会話などの語学学習アプリや、大学受験や資格取得を目的としたアプリが広く知られているところです。

また、単に学習コンテンツをアプリ上で提供するだけでなく、AI(人工知能)のディープラーニング機能を搭載し、学習成果をより的確に分析し、最適なアドバイスを提供するような教育の高度化を実現した機能も少なくありません。例えば、ベトナム出身で米スタンフォード大学でMBAを取得した女性起業家のバン・ディン・ホン・ブー氏が起業したスタートアップは英語発音矯正アプリ「ELSA Speak」を提供しており、AIがユーザーの発音を音素レベルで分析・評価することで、ネイティブの発音との差異を数値で可視化できるサービスを実現しています。

このほか、特定のコンテンツの副教材としてはアプリなどのソフトウェア以外に、ハードウェアを提供するケースも存在します。例えば、プログラミングに関する学習コンテンツの副教材としてロボットやドローンなどのハードウェアをレンタルし、実際に動かしてみることでロボティクス(ロボット工学)に関する実践的な体験学習の機会を提供するようなサービスが該当します。

3. その他支援サービス

そしてEdTechを構成するサービスの3つ目として挙げられるのが、受講者や管理者をサポートする各種支援ツール・サービスです。

教育現場においては学習コンテンツ、いわゆる教材を制作し、授業や講座を通じて教えるという取り組み以外にも、さまざまな関連業務が存在することから、教職員の負担を軽減するためにさまざまなサービスが生まれています。これには、学校事務に関する効率化や標準化を支援する「校務作成ツール」、教職員のスキルアップを目的とした「教職員向け研修支援ツール」、さらには学校と学生・生徒・受講生をより気軽につなげる「コミュニケーション支援ツール」などがあります。

このうち、コミュニケーション支援ツールの一例としては、教職員向けのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)である「SENSEIノート」などがあります。

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EdTechへの取り組みが進むベトナム

前述のとおり世界のEdTech投資のトレンドは現在、米国から中国やインドなどのアジア諸国にシフトしています。このうち、東南アジアでも近年はさまざまなEdTechサービスを展開するスタートアップが数多く生まれています。

ベトナムにおいても近年はEdTechをめぐる動きが活発化しており、2023年にはベトナムのEdTech市場は30億米ドル(約3,150億円)と、少子化で市場が伸び悩む日本を上回る規模に成長するとの見方も出ています。このうち、中高校生向けオンライン学習とオフライン学習を組み合わせたユニークなサービスを手掛けているManabie(マナビー)は日系のスタートアップとして急成長するベトナム市場向けにサービスを提供しており、注目されています。

<参照>EdTechについて(JETRO)

また、エンジニアの大規模育成を国策に掲げているベトナムでは、海外からの高まるEdTechの開発ニーズに対応できるエンジニアも増加しています。ベトナムを拠点にテスト・開発を支援している弊社SHIFT ASIAでも、日本の教育業界のお客様向けにさまざまなアプリ開発などのサービスを提供しています。最近ではアジャイル開発などにも対応し、より迅速かつ柔軟な開発支援体制を強化しています。

おわりに

まとめると、EdTechは従来のeラーニングの基礎の上にAIなどのデジタル技術を活用することで、教育にイノベーションと新たな付加価値をもたらす取り組みです。また、インターネットを通じて全世界にサービスを提供できるというスケールメリットを生かし、近年はUdemyのようなグローバルに事業を展開するプレーヤーも増える中、サービスの開発方法や提供地域もより多様化しつつあります。

また、少子化で大きな市場の拡大が見込みにくい日本よりも、人口増加が続くアジア圏でサービスを開発し、それを他国に横展開するというビジネスモデルも今後、ますます加速する可能性があります。

SHIFT ASIAは今回のテーマに掲げたEdTechに限らず、テスト・開発に関するお客様のさまざまな課題解決をベトナムからご支援しています。

このほか、SHIFT ASIAのソリューションや導入事例についてはトップメニューのタブメニューから詳細をご覧の上、何かございましたらいつでもお気軽にご相談いただけると幸いです。

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