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VUCAとは:先の読めない時代に求められるもの ビジネス・ITトレンド

Mar 01, 2022 SAブログ編集部

VUCAとは:先の読めない時代に求められるもの

はじめに

革新的な技術の普及や新型コロナウイルス(COVID-19)の流行など、近年はさまざまな想定外の出来事が発生し、あらゆる業界に影響を与えています。また、これらの出来事によって引き起こされる変化のスピードもこれまで以上に速まっており、企業を取り巻く環境はより複雑になりつつあります。

こうした先の見えない時代環境を表す言葉として、VUCAという造語が注目を集めています。そこで今回はVUCAとは何かについてご紹介しながら、システム開発に限らず、今の時代に必要なサービス開発のアプローチやあり方について探ってみたいと思います。

VUCAとは

VUCAとは英語の以下の単語の頭文字を取った略語です。それぞれの意味は以下のとおりですが、全体として「先行きが不透明で、将来を予測することが困難な状態」を意味しています。

V(Volatility:変動性)
U(Uncertainty:不確実性)
C(Complexity:複雑性)
A(Ambiguity:曖昧性)

VUCAの頭文字が意味する内容(SHIFT ASIA作成)

Volatility:変動性

変動性とは、一言で言うと「変化の度合いが激しいこと」を意味します。例えば、メディアを例に挙げれば、スマートフォンの普及に伴い、SNSなどのソーシャル・メディアが流行した結果、テレビや新聞、雑誌など、かつては安泰と言われていた旧来型のメディアの多くが経営的に苦境に晒されています。このうち、新聞や雑誌といった活字メディアは特に厳しく、日本でも過去10年で発行部数を大きく減らしているところが続出しています。

また、”日本のお家芸”と言われていた家電産業についても、経営危機に陥ったシャープが台湾企業の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入ったり、東芝の白物家電事業が中国企業の美的集団に買収されたりと、かつては考えられなかったような再編が次々と起きています。実際、かつてはアジアで圧倒的ナンバーワンだった日本企業の技術力やブランドは近年、韓国や中国や台湾などのメーカーの後塵を拝するケースも少なくありません。十年一昔と言われますが、まさに過去10年を振り返ってみるだけでも、あらゆる業界で予想もしなかったことが起きたことは間違いないと言えるのではないでしょうか。

Uncertainty:不確実性

不確実性とは、現在の社会システムや既に存在する懸念などが将来にわたってどのように推移していくのか見通しが立てづらくなっていることを指します。日本の高齢化に伴う年金問題や地球温暖化などの社会課題はもちろん、ビジネスを取り巻く環境についてもテクノロジーの進歩などによって市場の先行きが読みにくい時代になっているのは間違いありません。

近年では新型コロナウイルスのパンデミックもそうした不確実性の代表例と言えます。さらに、コロナの大流行に関連して起きているサプライチェーンの混乱、それによる足元の物価上昇なども従来の見通しのはるか先を行く状況になっています。

また、働き方の面では感染防止の観点からリモートワーク(在宅勤務)が世界的に一気に普及しましたが、この先オフィス回帰がどの程度進むのか、リモートワークと出社の最適なバランスはどうなるのかなど、不確実な要素は依然くすぶっています。

Complexity:複雑性

複雑性とは社会や経済の仕組みをはじめ、あらゆるものがますます絡みあい、互いに影響し合う状態を意味します。新製品や新サービスの開発を例に挙げれば、これまでは年月をかけて自社内で製品ライフサイクルを完結していた状況が変わりつつあり、現在はクラウドサービスなどの活用により社外の複数のサービスなどと連携してより短期間で製品開発を行う傾向が強まっています。

特にクラウドサービスをはじめ、現在はさまざまなSaaSベースの便利かつ高機能なサービスが提供されているため、IT業界ではより迅速にサービスを開発しようと考えた場合、こうした優れた外部サービスをうまく活用することがスタンダードになりつつあります。

逆に言えば、今のように変化の激しい時代ではユーザーのニーズや好みが目まぐるしく変わる可能性も高く、1社単独で時間をかけてサービス開発をしても報われないケースが増えているとも言えます。

また、イノベーションや新規事業を創出するために他社と協業するケースも非常に増えてきており、相互に恩恵をもたらすエコシステムを構築しながらビジネスを推進する動きも強まっています。このようにさまざまな形で外部との連携が深まる現状を見るだけでも、ビジネス環境の複雑性が増していると言えます。

Ambiguity:曖昧性

4つ目の曖昧性とはわかりやすく言えば、従来の定義や区分、境界がこれまで以上にぼやけつつある状態を意味します。デジタル化の進展により業界の垣根が曖昧になり、あらゆる業界でかつては考えられなかった異業種参入が当たり前のようになっています。例えば、自動車産業では電気自動車(EV)へのシフトが進み、GoogleやApple、ソニーなどの企業も参入を表明するなど、自動車産業という定義や括りがかつてないほどに曖昧になっていることはご存じのとおりです。

また、昨今注目を集めているメタバースのような仮想空間についても、リアルとデジタルの境界を曖昧にした取り組みと捉えることもできます。さまざまな業界で起こりつつあるこうした曖昧性の強まりをビジネスチャンスとして捉えるか、あるいは自社に対する脅威と捉えるのかによって、企業の成長は大きく左右されると言っても過言ではありません。

このほか、VUCAの時代を受け、これまでの定義や境界が曖昧になる中、あらためて自社の存在意義を問い直す企業も増えています。企業経営においてパーパスが脚光を浴びる背景には、こうした曖昧性の高まりも影響していると考えられます。

VUCAが広まった背景

VUCAという言葉自体は、もともとは軍事用語して1990年代に米国で誕生したと言われています。特に2000年代に入ってから米国がテロとの戦いに舵を切る中、従来の国家間の戦争のように参謀本部がトップダウンで戦略を立案し、末端の部隊が実行するというピラミッド型の組織や軍事活動が通用しなくなってきたことをきっかけに、テロなどの不確実性にいかに対処するかという課題がクローズアップされるようになりました。

このモデルがやがてビジネスにも取り入れられ、先の見えない時代における経営の在り方として注目されるようになったわけです。

実際、2000年代に入ってからインターネット産業が勃興し、GAFA(Google、Apple、Facebook *現Meta、Amazon)に代表される巨大テクノロジー企業が次々に誕生する中、ビジネスの現場ではさまざまなイノベーションやビジネスモデルの変革が起こりました。こうした市場環境の変化は近年ますます加速しており、従来型の戦略やビジネスモデル、製品開発などの手法が通用しなくなるケースが増えています。

VUCAとはこのように状況が絶えず変化し、将来の予測が困難な状態を意味する用語です。ただ、単に時代の状況を表す言葉としてだけでなく、こうした時代にうまく対処するにはどのように意思決定を行えばいいのか、という問いを我々に投げかけているとも言えるでしょう。

VUCA時代に求められるもの

VUCA時代に求められるキーワードとしては、アジリティ(Agility、俊敏さ)やレジリエンス(resilience、変化への適応力)、ダイバーシティ&インクルージョン(Diversity & Inclusion、多様性と包摂性)などが挙げられます。それぞれのキーワードのコンセプトは異なりますが、大まかに言えば、先の見えない時代だからこそ「多様な価値観を受け入れながら、よりスピーディーに変化に対応することがますます重要になる」ということにつながります。

先の見えない時代の開発アプローチ

その意味では、システム開発の現場で広がりつつあるアジャイル開発は、VUCA時代に対応した開発アプローチと言えるでしょう。アジャイル開発の詳細については以下の過去記事をご覧いただければと思いますが、これからは従来のウォーターフォール型開発に代わり、アジャイル開発などのような迅速かつ柔軟な開発アプローチに対するニーズは増えていく可能性があります。

経営にも広がる「アジャイル」

実際、こうしたアジャイルなアプローチは近年ではシステム開発にとどまらず、経営の領域でも導入が広がっています。

アジャイル開発における代表的な手法であるスクラムを共同で考案したジェフ・サザーランド氏は、アジャイル開発を経営にも導入すべきと提案しています。

ソフトウェア開発において納期を大幅に短くできる手法として注目を浴びてきたアジャイル開発。従来のウォーターフォール開発とは異なり、要件定義、設計、開発、テストの小さなサイクルを繰り返しながら開発を進めるため、顧客の要望や市場の変化にも柔軟に対応でき、結果的に開発期間も短縮できるのだ。

そんなアジャイルを「ソフトウェア開発だけではなく、企業の経営そのものにこそ応用すべきだ」と語るのは、アジャイルの代表的な手法であるスクラムを確立したジェフ・サザーランド氏だ。

引用:なぜ日本企業こそ「アジャイル経営」が必要なのか(NewsPicks)

このようにソフトウェアの開発手法に過ぎなかったアジャイル開発というアプローチが経営モデルにも影響を与えていることも、VUCAの4要素における曖昧性を示唆しているのではないでしょうか。

いずれによせVUCAの時代においては、「過去の延長線上に未来が待っている」というある意味、牧歌的なアプローチは否定されます。常に先行きに不透明感が漂う中、「こうすれば大丈夫」というような成功を保証する確実な方法論があるわけではないので、VUCA時代を生き抜くためには企業であれ、個人であれ変化に対する適応力を磨くことが大事になってくるのは間違いありません。

おわりに

今回の記事ではVUCAについてご紹介しました。弊社SHIFT ASIAはお客様のビジネスニーズに柔軟に対応したソフトウェア開発・テストをベトナムで展開しており、記事の後半で紹介したアジャイル開発については多くの実績を有しています。

具体的な弊社のソリューションや導入事例についてはトップメニューのタブメニューから詳細をご覧の上、何かございましたらいつでもお気軽にご相談いただけると幸いです。

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