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ニアショアとは|オフショアとの比較とその活用方法 オフショア開発

更新日:2024/10/11 SAブログ編集部

ニアショアとは|オフショアとの比較とその活用方法

ニアショアとは

「ニアショア」とは、日本国内の他の地域(地方都市など)にある企業や地方に住む人々のリソースを活用して業務を推進することを指します。
一般的には、人件費が高い東京や大阪、名古屋などの大都市圏から、比較的人件費が安価な地方に対して業務を発注することを意味します。
「ニアショア」は必ずしも外注のみに限らず、地方に拠点を立ち上げて企業内でニアショアを行っている企業もあります。

「オフショア(Offshore)」が海外の企業や現地法人、現地の人的リソースの活用を指すのに対して、「ニアショア」では海外に比べて近い(Near)日本国内を指すことから「ニアショア(Nearshore)」と呼ばれています。
いずれもリソース確保やコスト削減を目的として利用されることが一般的です。

そして、特にソフトウェアやシステムなどの開発業務をニアショアで行うことを「ニアショア開発」と呼びます。IT業界でニアショアという言葉を用いる場合、基本的にはニアショア開発のことを指します。

一方で、同様の開発業務を海外の企業やリソースを活用して行うことは「オフショア開発」と呼びます。

あらためて、オフショア開発とは|オフショア活用が進む理由とメリット・デメリット

開発やソフトウェアテストといった領域における「ニアショア」や「オフショア」の活用は今に始まったことではありませんが、働き方改革やニューノーマルへの対応を背景にリモートでの業務推進がより一般的となってきた昨今において、働く場所に対する地理的な制約はより緩やかなものとなってきています。
同時にリモートワーク・テレワークをより容易かつ効率的に行うためのサービスも続々と登場しており、業界や業種によって差はあるものの、大きな流れとしてさまざまな業務のリモート化が進んでいます。

また、ニアショアやオフショアにおいて活用される国内外の地域は、日本国内の首都圏や大都市圏に比べて人件費を抑えやすく、また人的なリソース状況にも比較的余裕があることから、ニアショアやオフショア活用のメリットは以前にも増して高まってきています。

こういった理由からソフトウェアの開発やテストといった業務はもちろんのこと、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて様々な業務がデジタル化されるなかで、さらに多くの業務においてニアショア・オフショアの活用が進むことでしょう。

そこでこちらの記事では、こういった背景からますます重要度を増しつつあるニアショア・オフショアの特徴や、有効な活用方法についてあらためてご紹介します。

ニアショア・オフショアの違いとそれぞれのメリット・デメリット

上でもご紹介した通り、「ニアショア」とはある業務を国内の地方都市などにある企業や事業所、現地に住む人々のリソースを活用して推進することを指します。
例えば東京の企業が沖縄にある企業にソフトウェアやシステムの開発を外注した場合、それは「ニアショア開発」と呼ばれます。
この場合、海外の企業に発注する「オフショア」とは違い発注先は日本国内の企業であることから、言語や文化に起因するコミュニケーション課題は発生しにくいといえます。
また、首都圏や大都市圏でリソースがひっ迫しているITエンジニアなどのIT人材を比較的確保しやすく、人月単価も割安になる傾向にあります。

一般社団法人日本ニアショア開発推進機構の「都道府県別目安単価情報」によると、東京と地方を比較した場合で概ね2~3割程度単価に差があるようです。
しかし、今後IT業務におけるリモートワークの一般化が一段と進むにつれ、リソースや単価に関する地域間のギャップは徐々に縮まっていくかもしれません。

一方で、オフショア開発はニアショア開発以上にITリソースを確保しやすく、また日本では希少性が高まっているフルスタックエンジニアなど、ハイスキルなエンジニアを豊富に採用しやすいという特徴があります。
また一例として、SHIFT ASIAが拠点を構えるベトナムでは、日本に比べると概ね1/2~1/3程度の単価相場と言われています。

ベトナム人ITエンジニアの単価は?主要オフショア開発国の単価と比較

オフショアでは、ニアショア以上にレベルの高いエンジニアを数多く確保しやすく、かつ比較的大きなコスト削減をも期待できるということがオフショアの大きな特徴となっています。

ニアショア開発とオフショア開発のメリット・デメリット

ニアショア開発とオフショア開発には上で述べたような特徴がありますが、それぞれのメリットとデメリットをまとめると以下のようになります。

ニアショア開発のメリット

  • コストの削減(発注元・発注先の地域によるものの、概ね15~30%程度のコスト削減が期待できる)
  • 言語や文化の違いが無く、スムーズなコミュニケーションが可能
  • 地理的なギャップが小さいため、時差が無く必要に応じて現地を訪れることも比較的容易
  • 国際情勢の変化といったカントリーリスクが無い

ニアショア開発のデメリット

  • オフショア開発に比べるとコスト削減効果は限定的
  • 経験豊富かつハイスキルなITエンジニアの数は多くない
  • リソースの量の面でも、オフショア開発と比べると一定量以上の確保は難しい

オフショア開発のメリット

  • ニアショア開発以上に大きなコスト削減(地域ごとに大きく異なるものの、ベトナムの場合は概ね50~70%程度のコスト削減が期待できる)
    スキルや経験により差はあるものの、「40万円/月~50万円/月」程度がベトナムにおけるITエンジニアの人月単価のボリュームゾーン
  • 日本では採用が難しい高度IT人材が活用しやすい
    特に、AIなどを活用した最新技術にも対応できる企業・人材も増加傾向
  • ITリソースが豊富に存在するため、大規模開発への対応が容易
  • 英語での開発案件にも対応しやすい

 

地域 ITエンジニア
時間単価相場
北アメリカ $77
西ヨーロッパ $75
東ヨーロッパ $58
ラテンアメリカ $61
アジア太平洋 $28
アフリカ $33

 

出典:Offshore Developers—Rates in 2024: Best Countries and Best Platforms to Hire a Remote Development Team

上の表からも、アジアは世界で最もITエンジニアの価格競争力が高い地域の1つであることがわかります。

オフショア開発のデメリット

  • 言語や文化などの違いに起因するコミュニケーションの難しさ
  • 上記に起因する進捗や品質管理の難しさ
  • 立ち上がりに時間を要することが多く、短期間・小規模案件の場合はメリットが限定的となりやすい

ニアショア開発・オフショア開発活用のポイント

ニアショア開発・オフショア開発には上のようなメリットとデメリットがあることから、それぞれの特徴を把握してプロジェクトに応じてどちらを採用すべきか検討をする必要があります。

例えば、比較的小規模な開発案件で大きなリソースは必要としない場合や、特にコミュニケーションを重視したい場合はニアショア開発は有力な選択肢となります。
しかしコストは期待するほど抑えられないケースもあり、また今後開発プロジェクトにおけるリモートワーク活用の一般化が進む場合、地域間のコストギャップが縮みコスト面でのメリットは減少していく可能性もあります。
今後地理的な制約が弱まっていくなかで、そもそもニアショア開発という概念自体が薄まっていくかもしれません。

一方で比較的規模が大きく、潤沢なリソースを要する場合(特に要求される技術レベルが高く、同時に一定量のリソースを必要とする場合)やコストをより抑えたい場合はオフショア開発が有力な選択肢となります。
特に、ベトナムをはじめとする主要なオフショア開発国では、日本では希少人材である経験豊富なハイスペックなITエンジニアが豊富にいるため、ITエンジニアの質を求める場合には日本国内に比べて確保の難度を大きく落とすことが可能です。

オフショア開発においてはコミュニケーションが大きな課題となるものの、近年ではコミュニケーションや管理の質を高めるために、以前に比べてより多くの日本人を抱えるオフショア開発企業が目立っています。
また、ベトナム人日本語話者の確保や社内での語学研修の促進、スクラムなどの方法論の採用といった様々な取り組みを通じ、コミュニケーションや管理面における課題感は以前より小さくなってきていると思われます。

SHIFT ASIAでも日本人の確保には力を入れており、現在では在籍エンジニアのうち約10%を日本人が占めています。
コミュニケーションもちろんのこと、しっかりと現場のコントロールができる日本人PMや日本人エンジニアを抱えるオフショア開発企業とパートナーシップを組むことができれば、国内の開発企業と大差無いスムーズなコミュニケーションを取ることができ、コスト面・品質面ともに大きなメリットを享受できる可能性があります。

以前に比べハードルが下がっているとは言え、やはり海外の開発企業とのやりとりに不安があるということであれば、管理はニアショアの開発企業が担当し実作業はオフショア側で行うという、ニアショア開発とオフショア開発のハイブリッド型も選択肢となり得ます。
日本国内にも海外のオフショア開発企業とパートナーシップを締結し、管理は日本側で行い開発は海外で行うというスキームでの開発サービスを提供している企業も多く存在します。
このようなニアショアの開発企業を間に挟むことでリスクを下げるというアプローチは、その分の費用が上乗せされることからコスト面におけるメリットは弱まり、メリット・デメリットともにニアショア開発とオフショア開発の間のような位置づけとなります。

今後社会的にも技術的にも、社内・社外、国内・国外と場所にとらわれない様々なオプションに対して吟味を進める必要が生じ得るなかで、それぞれの特徴やメリット・デメリットをしっかりと理解して柔軟な選択を行うことがますます重要となってくるでしょう。

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SHIFT ASIAについて

わたしたちSHIFT ASIAは、ソフトウェア品質保証・第三者検証のリーディングカンパニーである株式会社SHIFT(プライム市場上場)の海外戦略拠点として、ベトナム・ホーチミンでマニュアルテストからテスト自動化やセキュリティテスト、インスペクションなどのソフトウェアの品質保証事業を手掛けながら、近年はオフショア開発にも事業領域を拡大させてきました。

経済産業省が2018年に発表したレポートによると、日本では2030年にはIT人材の不足が約16万人から79万人まで拡大すると言われるなど、特にIT業界ではエンジニア不足が大きな問題になっていますが、SHIFT ASIAでは、こうした人材不足を解決する手段として、海外の優秀なエンジニア層を取り込み、彼らのリソースを活用しながら日本のお客様のニーズに応えるべく、優秀なベトナム人エンジニアの採用と育成に力を入れています。

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