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暗号資産(仮想通貨)ウォレットアプリの品質向上とQA体制強化をともに実現
SHIFT ASIAは、日本企業だけでなく、英語圏のお客様に対してもソフトウェア開発・テストに関する各種ソリューションを提供しています。今回は世界最大規模の暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームを運営する米系企業のお客様事例をご紹介します。
お客様の課題
同社は世界中で数百万人が利用する暗号資産(仮想通貨)のウォレットアプリケーションを開発、提供しています。ビットコインのみならず、さまざまな種類の仮想通貨を取り扱っていることから、高いセキュリティや同期性、多言語への対応などにも対応した複雑性の高いシステムを運営しています。特に仮想通貨の取引は障害や中断が許されない「ミッションクリティカル」なシステムであるため、非常に高い品質要件を設定し、自社内でサービスや機能の品質保証(QA)の向上に取り組んでいました。
その後、利用者の増加や取引量が拡大する中、さまざまなセンシティブなデータを扱うアップデートや機能追加が増え続けていました。それに伴い、多言語対応および機能追加に紐づくマニュアルテストのリソースが不足が目立つようになりました。さらに、自社内でQAを推進していた責任者が退職したことも影響し、QA部門の知見が失われるなど、テストの品質と継続性が脅かされる状況になったのです。
こうした危機的な状況を踏まえ、同社はQAの内製化にこだわらず、必要に応じて専門的な知見を持つ外部パートナーとの連携を模索。その過程で、ソフトウェアテストおよび品質保証に関する豊富な実績と知見を有するSHIFT ASIAにご相談をいただきました。
お客様の要件
技術革新などの変化が激しい業界で生き残っていくためにはグローバルな体制で開発とQAを高速で推進していく取り組みが欠かせません。そのために同社は求めていたのは以下の要件でした。
- サービス全体の品質の底上げを実現し、継続的なアップデートや機能追加にも対応できるQAチームを構築したい。
- テスト設計および実行に関する品質とスピードを向上させ、リリースサイクルの改善を実現したい。
- QA体制をより効率化するため、マニュアルテストに加え、自動化をはじめとした高度化ソリューションの導入を推進したい。
SHIFT ASIAの対応と成果
このようなお客様のご要望を踏まえ、SHIFT ASIAは金融・フィンテック系システムに関するテスト実績が豊富なテストエンジニアを中心に投入し、ユーザーフローや過去のバグの傾向をもとにテストを設計したほか、並行してアドホックテストも採用するなど異なる2つのテストをうまく組み合わせながらテストを実施しました。このアプローチを採用した背景には、テスト仕様書を用いたスクリプトテストに加えてアドホックテストを補完的に行うことで、カバレッジを効率的に拡大し、QAの品質を高める狙いがありました。
このうち、アドホックテストでは、テスターのスキル・経験に基づく属人的なテストに加え、独自のアドホックテスト観点を用いたテストを実施。これにより狙い撃ちしたいテスト観点を重点的にテストしつつ、テスター自身の経験やシステムの振る舞いに着目してテストを行うことで、設計ベースのテストでは見つけにくい不具合の検出を強化することができました。特にアプリのクラッシュやトランザクションにおけるエラーなど、サービスに大きな影響を与えうるクリティカルなバグも数多く検出し、再現性の確認を推進することが可能になりました。
こうしてSHIFT ASIAがバグの再現から追加テスト設計、実行までをトータルにサポートした結果、同社のサービスの不具合検出件数は従来と比べて大きく向上しました。具体的には、SHIFT ASIA参画の前後3カ月を比較した場合、不具合検出数は約1.6倍に増加し、サービスの品質向上に寄与しました。このほか、顧客社内のQAチームが不在という緊急事態に対してもSHIFT ASIAのメンバーが柔軟に対応したことで、お客様の品質保証サービス全体をSHIFT ASIAでサポートするという関係性を構築することができました。
使用技術・言語など
・CAT(SHIFTが開発・提供する統合型ソフトウェアテスト管理ツール)
・Notion(ワークフロー管理ツール)
・Amplitude(デジタル最適化システム)
ソリューションサマリ
・テスト計画
・テスト設計
・テスト実行(リグレッションテスト、アドホックテスト)
お問い合わせContact
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