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AI人材とはーAIエンジニアになるための方法や年収、ベトナムの最新事情もご紹介 お役立ちデータ

更新日:2024/12/17 SAブログ編集部

AI人材とはーAIエンジニアになるための方法や年収、ベトナムの最新事情もご紹介

近年OpenAIのChatGPTをはじめとするAI(人工知能)の活用が広がり、需要予測システムや顧客コミュニケーションを自動化するAIチャットボットなど、さまざまなビジネス分野で導入が進んでいます。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)Fintech分野での活用が顕著です。

一方で、AIを活用できる人材はまだ限られており、急速に高まるニーズに対して育成や確保が追いついていないのが現状です。大きなビジネス価値を生み出す可能性が高いAI技術を持つ優秀な人材をめぐっては、世界中の大手企業が好待遇で採用を進めるなど、獲得競争が激しくなっており、人材市場でも大きな注目を集めています。そこで今回は、IT業界においてAI人材の中核を担うAIエンジニアになるための方法や年収を中心に詳しく見ていきます。

そもそもAI人材とは

AI(人工知能: Artificial Intelligence)という言葉は、1955年に米国の計算機科学者ジョン・マッカーシー博士によって作られました。AI人材の定義は明確には定められていませんが、一般社団法人人工知能学会の設立趣意書では「大量の知識データに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」とされています。

出典:一般社団法人 人工知能学会 定款

AI人材の定義

独立行政法人情報処理推進機構が発行する「IT人材白書」では、「AI人材」を以下の3つに分類しています。

AI 研究者

<エキスパートレベル>
AI を実現する数理モデル(以下、「AI モデル」という。)についての研究を行う人材。AI に関連する分野で学位(博士号等)を有するなど、学術的な素養を備えた上で研究に従事する、AI に関する学術論文を執筆・発表した実績があるか、少なくとも自身の研究領域に関する学術論文に日頃から目を通しているような人材を想定。

AI 開発者

<エキスパートレベル>
AI モデルやその背景となる技術的な概念を理解した上で、そのモデルをソフトウェアやシステムとして実装できる人材(博士号取得者等を含む、学術論文を理解できるレベルの人材を想定)。
<ミドルレベル>
既存の AI ライブラリ等を活用して、AI 機能を搭載したソフトウェアやシステムを開発できる人材。

AI 事業 企画

<エキスパートレベル>
AI モデルやその背景となる技術的な概念を理解した上で、AI を活用した製品・サービスを企画し、市場に売り出すことができる人材(博士号取得者等を含む、学術論文を理解できるレベルの人材を想定)。
<ミドルレベル>
AIの特徴や課題等を理解した上で、AIを活用した製品・サービスを企画し、市場に売り出すことができる人材。

この3つの分類のうち、ビジネス現場でAI開発者やAI事業企画に対するニーズが高まっており、具体的には前者にはデータ・サイエンティストやAIエンジニア、後者にはAI導入支援コンサルタントなどの職種が含まれます。今回はこのうち、ソフトウェアの開発現場で活躍の幅が大きく広がりつつあるAIエンジニアにフォーカスを当ててみていくことにします。

AIエンジニアになるには

AIエンジニアになるために特定の資格は必要ありませんが、現在のAIエンジニアは情報科学、工学、理学分野の修士・博士号取得者が多くを占めています。政府もAIエンジニアの育成を重視しており、科学技術振興機構は「AI人材育成プログラム」を国家戦略として展開し、学生への支援を行っています。

大学や大学院卒業後の新卒採用では研究実績や学会発表、AI関連コンペ入賞などが評価され、研究機関、メーカー、情報通信企業、ベンチャー企業などでAIエンジニアとして専任採用されることが多いでしょう。

日本国内では機械学習やディープラーニングの専門家が1,000人未満と推定され、AIエンジニアの中途採用や新卒採用は激しい競争が繰り広げられています。求められるスキルには、機械学習やディープラーニングで主に使われるPythonなどのプログラミング言語、データ分析、画像・自然言語・音声処理などの専門知識が含まれます。分野の進化が速いため、既存の知識にとらわれず、常に新しい情報を収集する姿勢も求められます。

参考:厚生労働省 職業情報提供サイト AIエンジニア

AIエンジニアの給与水準

続いてAIエンジニアの年収について解説したいと思います。米国の巨大テック企業であるGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)をはじめ、海外ではAIやデータサイエンス、アナリティクスなどの高い技術をもつ優秀な人材に高額の給与水準を提示し、自社の技術力の強化を図る動きが進んでいます。こうした流れを受け、日本でも近年は優秀なデジタル人材を囲い込むために例外的に高額の給与を提示する企業も増えています。

AIエンジニアなどの高度デジタル人材を好待遇で迎える日本企業の事例

例えば、富士通、NTTデータ、NTTコミュニケーションズなどの大手IT企業では、AIなどに高い専門性を持つ人材を年収3,000万円前後(年俸制)で受け入れる制度を用意しています。

企業名

対象者と報酬目安(年俸制)

富士通

AIやセキュリティーの分野で高い能力を持つデジタル人材(3,000万ー4,000万円)

NTTデータ

AIやIoTで高い専門性を持つ技術者(3,000万円)

NTTコミュニケーションズ

AIやIoTで高い専門性を持つ技術者(3,000万円)

日本では他のエンジニア職種と大差ない実態も

とはいえ、こうした好待遇で迎えられるAI人材は全体のごく一部であり、あくまで例外的な存在であるのが実態です。経済産業省のリポートによると、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めているユーザー企業においてもAIエンジニアを含むさまざまなデジタル人材の採用を強化していますが、「IT人材の給与水準は、全社的な給与水準とほぼ変わらない傾向が見られる」と分析しています。

実際、同省がまとめた以下の図表によると、製造系システム子会社で求人が出されているAIエンジニアの年収水準は450万円-700万円のレンジとなっており、他のエンジニア系職種と比べて特段の差が見られないケースもあるようです。

拡大画像はこちら
出典:我が国におけるIT人材の動向(経済産業省、みずほ情報総研株式会社)

言語別で比較した給与水準とは

AIの開発・運用で使われることの多い主要言語には以下のような言語が含まれますが、株式会社SHIFTが運営するtoiroフリーランスの「案件数が多いプログラミング言語ランキング!【toiroフリーランス2024年最新】」によると、「Python」が最も平均年収が高い傾向にあるとの調査結果が示されています。

プログラミング言語 月額平均単価 平均年収※
Python 86万円 1,032万円
JavaScript 83万円 996万円
Java 81万円 972万円

※平均年収は「月額平均単価×12か月」で算出

出典:株式会社SHIFT toiroフリーランス 案件数が多いプログラミング言語ランキング!【toiroフリーランス2024年最新】

AI分野ではPythonが標準的な言語とされており、Pythonに精通したエンジニアの市場価値が高いことが明らかになっていると言えるのではないでしょうか。

ご紹介したプログラミング言語以外に「R言語」もAI分野において使用される言語になります。R言語について詳細を知りたい方は以下を参考ください。

参考:株式会社SHIFT toiroフリーランス R言語について徹底解説!PythonやC言語との違いは?役立つ資格やおすすめ本もご紹介

ベトナムのAIエンジニア事情とは

世の中にAIを活用したビジネスやサービスの事業化がますます増えていく中、今後もAIエンジニアに対する需要は増加傾向にあるのは間違いありません。このため、今後は日本国内でAI人材の確保がますます難しくなる可能性があることから、中国やインドをはじめとした新興国で高度AI人材を発掘し、活用する動きも徐々に加速しています。

弊社SHIFT ASIAではベトナムを拠点にオフショアテスト・開発サービスを展開していますが、こちらではベトナムのAIエンジニアの実情についてもご紹介したいと思います。

平均給与は1,400USD以上

ベトナム人のITエンジニアの就業環境などについてまとめた 「Vietnam IT Market Report 2024-2025 Vietnam IT&Tech Talent Landscape」によると、AI分野におけるベトナムのエンジニアの平均給与水準は月額1,400USDと、一般のITエンジニアの平均給与1,350USDよりも高いことが分かりました。ホーチミン市の平均月収が約250USD(2022年)と言われている中、約5倍の給与を得られるという点では「非常に稼げる職種」と言えるでしょう。

なお、AI分野のエンジニア職種別で最も平均給与が高いのは、Machine Learning Engineer(機械学習エンジニア)で1,681USDという結果になっています。

ベトナムにおけるAI分野のエンジニア職種別平均給与トップ8

順位 職種 月額給与
1 Machine Learning Engineer 1,681USD
2 Business Intelligence (BI) Developer 1,661USD
3 Data Scientist 1,641USD
4 Big Data Engineer 1,481USD
5 Data Governance Specialist 1,481USD
6 AI Engineer 1,361USD
7 Data Analyst 1,231USD
8 Data Visualization Engineer 1,001USD

出典:TopDev Vietnam IT Market Report 2024-2025 Vietnam IT&Tech Talent Landscape

ベトナムのAI分野のエンジニア不足

このほか、同調査ではエンジニアの職種別に募集と応募の状況がまとめられています。特にAI分野のData Analyst/EngineerやAI/ML Engineerでは、募集に対して応募が少なく、エンジニアの需要が高いことをうかがうことができ、日本と同様に、AI分野における人材不足を示しています。

この他AI分野以外におけるベトナム人エンジニアの給与水準はこちらでまとめておりますので、気になる方は参考にしてみてはいかがでしょうか。

おわりに

今回の記事では、AIエンジニアになるための方法や年収を中心に日本やベトナムにおける動向をご紹介しました。

実際、ベトナムでは現地の若くて優秀なエンジニア層を活用し、AIサービスをベトナムで開発し、日本や他国で展開するといったビジネスモデルを取り入れている日系企業もスタートアップを中心に増えており、今後はオフショア開発においてもAIやデータ分析などを活用したソリューションの開発ニーズも高まってくると予想されます。

SHIFT ASIAは品質保証とソフトウェア開発のプロフェッショナルとして、ベトナムを拠点にソフトウェアテスト事業・オフショア開発事業を展開しています。

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